趣味でコーヒーを始めたけど、知識がないので勉強したい。まずはコーヒーに対する知識を深めたいけど、何か良い本はないかなぁ。コーヒーの本ってたくさんありすぎて、どの本が良いか悩むなぁ。
このような悩みを解決します。
- 広く浅くコーヒーについて知りたい
- 科学的にコーヒーを知りたい
- コーヒーの業界について知りたい
これから紹介する本を読めば、コーヒーを教養、理屈、業界の面から深く学ぶことができます。
筆者は化学系の研究開発をしているバリバリの理系です。コーヒー焙煎士としても活動しています。
これらの本を読めば、コーヒーをより深く理解する手助けになることをお約束します。
広く浅くコーヒーについて知りたい
コーヒーを楽しむ教科書
まず初めにご紹介する本は、「コーヒーを楽しむ教科書」です。
概要と目次
概要はこちらの通り。
コーヒーの「美味しさ」には理由があります!
本書は、お家で、あるいはお店で、あなたが美味しいと思う一杯に出会うための一冊です。
いつもの一杯を最高に美味しくするために、
コーヒー豆や道具の選び方から、コーヒーの淹れ方まで、イラストでわかりやすく解説しました。
ビジュアルで解説しているので、イメージしやすく、楽しみながら読むことができます。
お店で「お好みのコーヒーは?」と言われても答えられない、
豆を買いに行っても、どれを選べばいいかいつも迷う…。
そんな初心者の方も、もちろんコーヒー愛好家の方も、
一杯のコーヒーがもたらす時間が、もっと豊かになり、楽しみ方が広がる一冊です。
コーヒーを楽しむ教科書
目次はこちらの通りです。
第1章 好みの味を見つけよう
第2章 家庭で楽しむ世界チャンピオンの味
第3章 こだわりの店でオーダーするために
第4章 抽出方法で広がる味の世界
第5章 プロの味に近づこう
第6章 コーヒーを極めよう
コーヒーについて幅広く知れる内容
超初心者向けからコーヒーを仕事で扱う人まで幅広い人が満足できる内容だと思います。
まさに「教科書」といえる本だと思います。私も辞書代わりに何度も読み返しています。
図も豊富でわかりやすいので良いですね。
ここでは、私が特にコーヒーを初めたての頃に参考になったと思ったポイントを紹介したいと思います。
コーヒーの味は、産地や品種によって大きく変わります。例えば、エチオピアやケニアはフルーティな酸味を味わえるコーヒーが多く、ブラジルなどの中南米はしっかりとしたボディ感を味わえるコーヒーが多いなど。
あとは、コーヒーの味を評価するための「カッピング」についても詳しく書いてあるので大変参考になりました。
このあたりは自分でコーヒーを焙煎したりするようになると重宝します。
科学的にコーヒーを知りたい
コーヒーの科学
次に紹介する本は、「コーヒーの科学」です。
概要と目次
概要はこちらの通り。
今では、我々の生活に欠かすことのできない嗜好品となったコーヒー。その独特の香味はどのように生まれるのだろうか。自家焙煎店で培われた職人の技術と知恵を、科学の視点で徹底分析。味をコントロールし、自分好みのコーヒーを淹れる秘訣が見えてくる。科学論文に基づく知見を踏まえて、コーヒーのさまざまな謎に迫る!
コーヒーの科学 旦部幸博
目次は以下の通りです。
第1章 コーヒーってなんだろう
第2章 コーヒーノキとコーヒー豆
第3章 コーヒーの歴史
第4章 コーヒーの「おいしさ」
第5章 おいしさを生み出すコーヒーの成分
第6章 焙煎の科学
第7章 コーヒーの抽出
第8章 コーヒーと健康
コーヒーを科学的に理解することができる
本書はコーヒーについて、非常に科学的な観点から書かれています。コーヒーに関することが書かれた本はたくさんありますが、一番科学的な解説が豊富といっても過言ではないと思います。
ここでは私が本書を読んで特に感心した箇所をピックアップしてご紹介したいと思います。
植物として見たコーヒー
そもそも、「コーヒーって何?」という根本的な疑問を解決してくれます。
本書にはコーヒーノキ(コーヒーの生豆が取れる植物)について、系統樹ではどこにあたるのか被子植物から説明してくれています。
気になる方は本書をチェックいただくか、wikipediaに概要が載っているので見てみてください。
その他にも生豆の構造、品種、染色体の話までとても詳しく書かれています。
コーヒーの香りの科学
本書では、味や香りに関わる物質の構造まで説明してくれます。
有機化学専攻の身にとっては最高の内容ですね。
せっかくなので、コーヒーの香りに関わる化学物質を1つ紹介します。
コーヒーの香り物質の中で、いちばんコーヒーらしい成分は、
「2-フルフリルチオール」だそうです。
有機化学に明るい人なら分かる方もいるかもしれませんが、そう、この物質、「硫黄系化合物」なんです。
硫黄化合物は色んな食品に含まれているのが有名ですね。
例えば、卵、ニンニク、グレープフルーツなどの香りの主成分になっています。
一方で、硫黄化合物は悪臭物質としても有名で、嗅ぐと気絶してしまうものもあるんです。
香りの世界は不思議ですね。
他にも、本書では苦味に関わる成分とか、コーヒーの「コク」に関する化学的な説明なども面白かったです。
コーヒーの業界が抱える課題と解決策について知りたい
コーヒーで読み解くSDGs
最後にご紹介する本は、「コーヒーで読み解くSDGs」です。
概要
あたなの知らない、
コーヒーとSDGsの世界。
コーヒー、経済、開発援助の専門家3名がいざなう
コーヒーで未来を変える旅。コーヒーには、
SDGsのアイデアがあふれている!#コーヒー危機と世界経済
#コーヒーがもたらす健康と福祉
#コーヒー生産とジェンダー平等
#コーヒーが生み出す働きがい
#コーヒーで守る海、陸の豊かさ
#コーヒーで平和と公正をSDGsは、環境、経済、社会に関わる
17の目標を掲げていますが、
それらの目標は、コーヒー業界が
SDGs以前から取り組んできた課題の
縮図でもあります。大学教授、国際NGOの元職員、コーヒーハンターという
コーヒーで読み解くSDGs
3人の著者がコーヒーを通して
SDGsを紐解き、解説していくことで、
誰もがコーヒーを通じてSDGsに
貢献できることに気付く。
コーヒーの価値観を変え、SDGsを理解できる
これまでにない一冊。
コーヒーとSDGsについて学べる一冊
本書では、コーヒーについてSDGsの観点から書かれています。
ただのコーヒー消費者がSDGsと何の関係があるの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、本書を読めばきっと考え方が変わるはず。
美味しいコーヒーを飲み続けるためには、生産者が美味しいコーヒーを作り続けられるようなシステムが必要です。
例えば、高品質なコーヒーの生産者は正当な報酬をきちんと得られるような仕組みや、環境を保全しながら農園を運営していく必要があります。
逆にいえば、コーヒー生産者が高品質なコーヒーを作ることにモチベーションを保てなくなったり、コーヒーの栽培を優先し環境保全を怠ってしまうと、コーヒー業界は衰退してしまいます。
すなわち、美味しいコーヒーを飲み続けるためには、人や環境に配慮した持続的な生産活動が必要なのです。
このような観点から、本書ではSDGsの17項目の各項目について、実際の農園の事例を元にコーヒーとSDGsの関係が紹介されています。
コーヒーとカーボンニュートラル
ここでは、特に私が感心した事例をご紹介したいと思います。
コーヒーは精製時の発酵工程にて、メタンガスが含まれた排水が生じます。そしてそのメタンガスが温室効果ガスとして環境に大きな悪影響を与えることが知られています。
コスタリカのサンタ・エドゥビゲス精選工場では、排水から発生するメタンガスを回収し、燃料として利用しているそうです。
バイオ由来の燃料から生じる二酸化炭素は、元々は植物が光合成で吸収した二酸化炭素となるため、トータルで二酸化炭素の増加量はプラスマイナスゼロとなります。
この考え方は、「カーボンニュートラル」といいます。
これは、SDGsの17項目のうち、13番目の「気候変動に具体的な対策を」に貢献できる取り組みです。
本書では、17項目のそれぞれについて、具体的な農園の事例を紹介されています。
土屋珈琲研究室のSDGsに対する取り組み
私たちはコーヒーの消費者ですが、人と環境に配慮した方法で生産されたコーヒーを飲むことで、間接的ではありますがSDGsに貢献することができます。
他にも、バイオマス由来のプラスチックなどの製品もたくさん出てきており、そのような製品を使うことで、1個人であってもカーボンニュートラルに貢献することができます。
ここからは手前味噌となってしまい恐縮ですが、土屋珈琲研究室の取り組みをご紹介します。
土屋珈琲研究室では、人と環境に配慮された方法で生産されたコーヒー豆のみを使用した自家焙煎コーヒーを販売しています。
コーヒーのパッケージにも、環境にやさしい素材を使用したものを採用しています。
コーヒーを通して、SDGsについて考えてみませんか?