1kgくらいの小型焙煎機を導入したいけど、どれにしようか悩むなあ。最近出たAillioの電気式焙煎機ってどんな感じなのかなあ。
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こんな悩みを解決します。
この記事では、Aillio Bullet R1 V2の購入を検討している方に向けて、導入方法と私が3ヶ月使用して感じたメリット・デメリットを紹介していきたいと思います。
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今回説明する内容はこちら
- 導入方法の解説
- 使用して感じたメリット・デメリット(レビュー)
結論として、導入には簡単な電気工事が必要なので少し手間がかかりますが、非常に使い勝手が良いです。
何よりさまざまな焙煎レシピが公開されているので、焙煎を始めやすいことが魅力です。
もちろん毎回の焙煎データを収集できるので、毎回同じプロファイルで焙煎できるのも良いです。
それでは内容に移ります!
導入方法
200V電源設備の導入方法
Aillio Bullet R1 V2を導入するためには、事前に200V電源の確保が必要です。
ふつうの家庭では200V電源は無いかと思うので、コンセント設置が必要です。
200Vのコンセント設置には、その家庭の状況によってやり方が変わるのでチェックポイントがあります。
マンションの場合
まずは、配電盤をチェックしましょう。ブレーカーに110V/220Vと書いていれば、220Vの電源が配電盤まで来ているということになります。
もしブレーカーに220Vと書いていなければ、電源が家まで来ていないので、近くの電柱から配線を引っ張ってこないといけなくなります。
電線を引っ張ってくるような工事をする場合、大家さんに相談した方が良いと思います。
- 配電盤チェック
- ブレーカーに220V表記あるかチェック
ブレーカーに220Vと書いてあれば、そのブレーカーを200Vコンセント専用にします。
注意点は、ブレーカーを200V専用にすると、そのブレーカーから繋がっているコンセントは全て200Vになってしまうことです。
200V専用コンセントに100Vのプラグを挿すと壊れるので注意してください。
200Vコンセント設置には簡単な電気工事が必要です。私の場合は、1つ余っていたブレーカーがあったので、そこに200V専用コンセントを付けました。
マンションなので、退去時に元通りに戻せるよう、箱型のコンセントを付けました。
電気工事する際は、お近くの電気工事会社にお願いするようにしましょう。電気工事は資格がいるので、くれぐれも自分でしないように。
ちなみに、私の場合、工事費用は11,000円でしたので、工事会社に依頼する際の目安にしてください。
また、電圧出力を変える装置(変圧器)もありますが、aillioは200Vコンセントを推奨されていますので、やはり電気工事するのが無難かと思います。
以下にポイントを書いておきます。
- ブレーカー1つを200V専用にする
- 電気工事会社に依頼する
- 箱型コンセントにする(後から外せるように)
- 工事費用は11,000円程度
- 電気工事は自分でしない(資格必要なため)
- 変圧器は推奨されていない
一軒家の場合
一軒家の場合はマンションに比べて制約がないので、何でもできます。
マンションと同様にまずは配電盤をチェックして、200V電源がブレーカーまで来ているかどうか確認します。
ブレーカーまで来ていれば、そのうち1つを200Vコンセント専用にします。
一軒家の場合は、埋め込み式のコンセントを200V用に変更することもできますし、新たに埋め込み式コンセントを作ってもいいと思います。
費用を抑えたい場合は箱型のコンセントを付けてもいいかと思います。
200V電源の確保ができてしまえば、もうほぼ事前の設備準備は終了です。
フード(ダクト)の設置
もう一点の設備準備は、フード(ダクト)です。
aillioから出た煙を排気するために、フードを購入しておく必要があります。
といっても、キッチンの換気扇に向けて煙が流れるような経路を作るだけで良いので、市販のフード(ダクト)があれば十分です。
私はコーナンでアルミダクトホースを購入しました。
100φ×3,000mmがちょうどいいです。
焙煎機の購入
ここまで準備できたら、もう焙煎機を購入しても大丈夫です。
私は代理店のノーザンコマーシャルさんで購入しました。
私が購入した2022年5月時点では、オンラインショップはありませんでしたが、2022年8月現在はオンラインで購入できるようなりました。
支払い方法は振り込みで、商品は郵送で届きました。
aillioは他にも代理店があり、R&D ESPRESSO LABさんでも購入できます。ちなみに価格はノーザンコマーシャルさんより少し安いです。
無事焙煎機が届いたら、説明書を見ながら初めのシーズニング(ドラムに油を馴染ませる)をしてください。
R&D ESPRESSO LABさんが動画で紹介してくれているので、動画でみたい方はこちらからどうぞ。
Roastimeの導入
焙煎機を遠隔操作するためには、アプリケーションの導入が必要です。
Roastimeは焙煎機をPC上で操作するためのアプリです。
このアプリをインストールしなくても焙煎機を使用することはできますが、それだとデータ収集ができないので、アプリのインストールはほぼ必須と考えておけば良いと思います。
ダウンロードはこちらのページからできます。
Roast Worldの登録
「Roast World」はAillioを使用している他の焙煎士の情報を知ることができる掲示板のようなものです。
色んな生豆の種類、豆の重量、焙煎度などに応じたAillioの設定方法が公開されています。
特に初めてAillioを使う際は、どのような設定にすればいいのか分からないので、先人の設定方法を参考にできるのはかなりありがたいです。
迷わず登録しておきましょう。
Aillio Bullet R1 V2を3ヶ月使用したレビュー
それではレビューに移りたいと思います。
はっきり言って最高の焙煎機だと思います。他の焙煎機と比べても控えめに言って神。
購入して良かったと思います。
メリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
Aillio Bullet R1 V2のメリット
まずメリットはこちら
- 圧倒的に安価・省スペース
- データ収集・プログラム焙煎が使いやすい
- 浅煎りも綺麗に焙煎できる
- メンテナンスが楽
1つづつ順にみていきます
圧倒的に安価
Aillioは約50万円で購入できます。1㎏焙煎機でこの価格は破格です。
例えば1kg焙煎機として国産のものだとフジローヤルの1kg焙煎機R-101がありますが、お値段100万円くらいです。
中古で買っても50万円はします。
そしてAillioはサイズが小さいです。
だいたい子犬くらいの大きさです。
寸法: 全長: 59cm 幅 31cm: 高さ:42cmです。キッチンに置けるサイズだと思います。
データ収集・プログラム焙煎可能
データ収集とプログラム焙煎可能という点がAillioの1番の魅力だと思います。
事前に火力・回転速度・ファンの強さを設定しておけば、あとは焙煎中に自動で設定を変更してくれます。
焙煎中も設定状態がしっかり分かりやすくなっています。
浅煎りが綺麗に焙煎できる
Aillioは電気式焙煎機なので、他の直火式や熱風式とは加熱システムが異なります。
価格は安いけど、狙い通りにできるのだろうか・・・
というような心配をしている方もいるかもしれません。
特に浅煎りは火加減が難しいので、不安になりますよね。
しかし、Aillioは浅煎りにこそ力を発揮する焙煎機だと思います。
ライトローストくらいのかなり浅煎りでも、ムラなく焙煎することができました。
とても火加減の調節がしやすい焙煎機と言えると思います。
メンテナンスが楽
本体はバラして清掃できるので、メンテナンスは比較的簡単だと思います。
購入時にドライバーや六角レンチが付属されているので、工具をわざわざ揃える必要もありません。
メンテナンス方法はR&D ESPRESSO LABさんの動画がわかりやすいです。
Aillio Bullet R1 V2のデメリット
メリットばかり挙げても贔屓になってしまうので、デメリットも挙げておきます。
Aillioを購入する際はデメリットもきちんと理解した上で検討するようにしてください。
デメリットはこちらです。
- 日本語対応していない
- 持ち運びしづらい
- 冷却ファンがうるさい
- 冷却トレーの穴が小さい
- あまり普及していない
デメリットも順に見ておきましょう。
日本語対応していない
aillioは海外製なので当然といえば当然なのですが、アプリが全て英語表記となっています。
商社から送られてくる操作マニュアルは日本語なのでそんなに心配する必要はないです。
ただし日本の家電製品ほど詳しく書かれていないので、ある程度は自分で触ってみて操作方法をマスターしていく必要があります。
詳しい操作方法の解説はまた別の機会にしてみたいと思います。
持ち運びしづらい
aillioは重さが18㎏あるので、持ち上げるのは大変です。
据え付けにするのがいいと思いますが、移動したい場合は車輪付きの台に乗せるなどした方がいいかと思います。
冷却ファンがうるさい
焙煎が終了したらクーリングトレイに豆を出します。
その際に冷却ファンが稼働するのですが、それが結構うるさいです。
家庭用掃除機の「強」の設定と同じくらいの騒音です。
狭い部屋だと会話するのが難しいくらいの音量なので、夜間に焙煎すると近所迷惑になるかもしれません。
ただし、冷却ファンは9段階で強さを調節できるので、冷却時間が長くなってもいい場合は設定を弱くして騒音を抑えることもできます。
どうしても夜間に焙煎したい場合は冷却ファンの設定を落としておけば良いでしょう。
冷却トレイの穴が小さい
冷却トレイの穴が小さく、豆と一緒にチャフが冷却トレイに排出されてしまうと、上手く豆とチャフを分離できません。
そのような場合は、ドライヤーなどでチャフを吹き飛ばすか、焙煎時にファンの設定を上げておいて、チャフコレクターにチャフがいくようにすれば良いと思います。
あまり普及していない
aillioは人気の焙煎機ではありますが、まだまだ登場してそんなに年数が経っていないので、シェアは高くありません。
故障などのトラブル時の対応マニュアルもなかなかまだ整備されていないし、シェアが低いので使用方法を教えてくれる人もあまりいません。
修理ができる業者も限られています。
問題が発生した際に自分で解決しなければならないので、そういう観点ではデメリットになると思います。
一方で、そういうシェアがまだまだ高くないからこそ、使用方法をマスターしていることは焙煎士として強みになるという考え方もできます。
aillioを使ってみたい人を集めてシェアローストをしても良いかもしれませんね。
さいごに
今回、Aillio Bullet R1 V2の導入方法とレビューを紹介しました。
導入に関しては200V電源さえ確保できればあとは難なく導入できると思います。
また、aillioは素晴らしいメリットのある焙煎機であることを紹介しましたが、デメリットもあるので、購入時はぜひデメリットの部分も参考にしていただければと思います。
さいごに、私が運営する土屋珈琲研究室では、aillioを使用して焙煎したコーヒー豆を販売しています。
aillioで焙煎したコーヒーがどんな味になるか気になる方は、ぜひオンラインショップを覗いていただければ幸いです。